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松本 実喜夫; 遠藤 泰一; 伊藤 治彦; 板橋 行夫; 猿田 徹; 横内 猪一郎; 安藤 弘栄
JAERI-M 92-212, 62 Pages, 1993/01
高温ガス冷却炉(HTGRs)の設計及び安全解析において、燃料から放出する核分裂生成物(FP)の1次冷却系への沈着・離脱挙動を把握することは重要である。JMTRでは、高温工学試験研究炉(HTTR)用燃料照射研究に用いている高温ガス冷却ループ照射装置(OGL-1)の1次冷却系に沈着するFP分布測定を原子炉運転中及び停止後にわたって行ってきた。その結果、ヨウ素の沈着が温度上昇に対して指数関数的に減少すること、表面が冷却されている2基の再生熱交換器に系内全ヨウ素の60%が沈着することを明らかにした。また、燃料照射温度が1500Cの場合、ヨウ素放出率は1300Cの約100倍になることを確認した。更に、本報では、原子炉運転中と停止後によるFP沈着・離脱に係る系内ヨウ素分布の変化について報告する。
沢 和弘; 塩沢 周策; 福田 幸朔; 市橋 芳徳
Journal of Nuclear Science and Technology, 29(9), p.842 - 850, 1992/09
高温工学試験研究炉(HTTR)の燃料体は、燃料棒と六角柱状の黒鉛ブロックから構成される。燃料棒は、被覆燃料粒子と黒鉛粉末からなる燃料コンパクト及び黒鉛スリーブで構成される。燃料は、低濃縮二酸化ウランの燃料核を、内側から低密度熱分解炭素(PyC),高密度PyC層、炭化ケイ素層、高密度PyC層で被覆した被覆燃料粒子である。HTTR燃料体から放出される核分裂生成物の量を評価するために、解析モデルを開発した。希ガス及びヨウ素の放出割合は、破損燃料粒子照射試験で得られたKrの放出データを基に計算する。金属性核分裂生成物の燃料核、被覆層、燃料コンパクト、黒鉛スリーブ中の移行は、拡散過程としてモデル化している。これらの解析モデルの妥当性を示すために、炉内試験において測定された放出割合と計算値の比較を行った。その結果、これらのモデルはHTTR燃料に十分適用できることが分かった。